初心者でもわかる!「建設業許可」と「産廃収集運搬業許可」の基礎知識
建設業は他の産業に比べて、高額で、契約から成果物の提供までが長期間になるという特徴があります。建設業を営む中で、切っても切り離せないのが「建設業許可」と「産業廃棄物収集運搬業許可(産廃許可)」です。
「うちはまだ規模が小さいから大丈夫」「元請けから取れと言われたけれど、何から始めればいい?」とお悩みの事業者様に向けて、要点をわかりやすく解説します。
1. なぜ許可が必要?2つの許可の役割
まずは、それぞれの許可がどのような場面で必要になるのかを把握しましょう。
- 建設業許可:一定規模以上の「建設工事」を請け負うために必要な許可
- 産廃許可:工事現場などから出た「産業廃棄物」をトラック等で運ぶために必要な許可
2. 建設業許可:いつ必要?取得の要件は?
(1) 許可が必要になるボーダーライン
軽微な工事であれば許可なしでも施工可能ですが、以下の金額を超える場合は必ず許可が必要です。
| 工事の種類 | 許可が必要となる条件(請負金額) |
| 建築一式工事 | 1,500万円以上(税込) ※または木造住宅で延べ面積150㎡以上 |
| 建設工事(一式以外) (内装、電気、塗装など29業種) | 500万円以上(税込) |
(2) 主な5つの許可要件
建設業許可を取得するためには、次の5つのハードルをクリアする必要があります。
- 経営業務の管理責任者(経管)がいること役員や個人事業主として、一定期間(原則5年以上)の建設業の経営経験が必要です。
- 専任の技術者(専技)がいること業種に応じた国家資格を持っているか、実務経験(原則10年など)を持つ人が必要です。
- 財政的基礎(資力)があること自己資本が500万円以上、または500万円以上の資金調達能力が必要です。
- 誠実性があること不正や不誠実な行為をするおそれがないことが求められます。
- 欠格要件に該当しないこと成年被後見人や、過去に一定の刑に処された人などが該当していないことが条件です。
3. 産廃収集運搬業許可:自社のゴミなら不要って本当?
現場から出た廃棄物を運ぶ際、「自社のゴミなら許可はいらないのでは?」という疑問をよく耳にします。ここが大きな落とし穴です!
【運ぶゴミは誰のもの?】
│
├─ 自社が「元請け」として施工 ➔ 【許可不要】 (※自社運搬扱い)
│
└─ 自社が「下請け」として施工 ➔ 【要許可】 (※元請けのゴミを運ぶ扱いになるため)
なぜ下請けは許可が必要なのか?
法律上、現場から出る産業廃棄物の排出事業者は「元請業者」と定められています。
そのため、下請業者が現場のゴミをトラックに乗せて運ぶ行為は「他人の廃棄物を運んでいる」ことになり、産廃収集運搬業の許可が絶対に必要となります。無許可で運搬した場合、厳しい罰則の対象となるため注意してください。
産廃許可を取得するための主なポイント
- 講習会の受講:(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する講習会を修了すること。
- 経理的基礎:債務超過でないなど、事業を継続できる財務状態であること。
- 運搬施設:廃棄物が飛散・流出しない適切なトラックや容器を所有していること。
4. 2つの許可を取得するメリット
手続きや維持にはコストがかかりますが、許可の取得には大きなメリットがあります。
- 受注チャンスの大幅な拡大500万円以上の大型案件を請け負えるようになります。
- 元請け業者や施主からの信頼アップ近年、コンプライアンス意識の高まりから「許可を持っていない業者には下請けを出さない」という大手元請け企業が増えています。
- 融資や社会的信用の獲得公的な許可を得ていることで、銀行からの融資審査や人材採用においてもプラスに作用します。
5. まとめ:早めの準備がビジネスチャンスを逃さないコツ!
建設業許可も産廃許可も、書類の収集や条件の確認に1〜3ヶ月程度の期間がかかるケースが一般的です。
「大きな案件の話が舞い込んできたけれど、許可の取得が間に合わずに泣く泣く断った…」という事態を防ぐためにも、事業の拡大に合わせて計画的に準備を進めましょう。


